なぜ、グローバル化を進める日系企業が「現地化」で失敗するのか

はじめに. 海外現地法人の「現地化」の落とし穴 欧米からアジアへの経済力のシフト、急速に進む技術革新、日本が抱える少子高齢化問題、という流れにより、日系企業の「グローバル化」は急速に推し進められています。事業の「グローバル化」を進めていく中で、同時に出てくる経営課題は、「どう現地化(ローカル化)を

元P&G米国本社プレジデント兼アジア最高責任者桐山一憲氏に学ぶ    グローバルで活躍する人材の育て方 vol.4  

P&Gが超ドメスティック企業からグローバル企業になるプロセス 〜辞める人を育てるのか? 前回は、若い桐山氏自身のストレッチ・アサインメントであった海外駐在での経験が、後にアジア最高責任者として活躍されるその後の桐山氏に、どのような影響を与え、その経験がどのように現在に生きているのかについて、

アジア経営論考(5)大企業が新興国で戦うには? ~意志ある異分子を変革の中心に~

日本の大企業は新興国で勝てない… 先進国の大企業が新興国市場で大きなシェアを獲得して成功するのは、なかなか難しいものです。日本でのマーケットシェアが大きな企業は、特にその傾向が強いように思います。日本での成功体験が社内での「正解」になってしまい、日本と新興国では違うことがたくさんあるにもかかわらず、

日系企業のグローバル化における論点とアジアの海外現地法人の現状

はじめに この記事では、近年のグローバル化の流れの中で、今、東南アジアで何が起きているのか、また、本社サイドで何が起きているのか、基本的な論点についてお伝えさせていただきます。 私は、企業の人材育成のお手伝いを数多く手がけていますが、それにとどまらず、エンゲージメントサーベイ(従業員意識調査)や現地

アジア経営論考(4)地域戦略の「塔」構造~東南アジアでの戦略づくり~

地域単位での戦略づくり 様々な企業の「東南アジア戦略」について伺う機会がありますので、それらの経験を通じて考えてきたことについて、議論していきたいと思います。タイのチュラロンコン大学サシン経営大学院日本センターの藤岡資正先生も、地域戦略の重要性について語っていらっしゃいますし、私も様々な機会で一緒に

三菱商事 松田氏から学ぶ 海外現地法人の組織課題と成功の処方箋(2)

前回は、松田氏が感じている日本企業のグローバル化の課題や、日本企業の向かうべき方向性、現地の優秀なナショナルスタッフを採用するためのポイントなどを語っていただきました。今回は、これからの日本企業に求められる対応、特に駐在員の意識改革の必要性について、三菱商事における取り組みも踏まえながら提示してい

三菱商事 松田氏から学ぶ 海外現地法人の組織課題と成功の処方箋(1)

先日、三菱商事株式会社人事部グローバル研修・採用担当オフィサーの松田豊弘氏を講師にお迎えして、特別セミナー「三菱商事 松田氏から学ぶ 日系企業のグローバル化に向けた組織課題と成功の処方箋」(beyond global主催)を開催しました。 松田氏は三菱商事本社国際人材開発室、在香港グローバルヒューマ

高品質・低生産性-日本人管理職のマネジメントにみる日系企業の課題-

高品質・高信頼だが、低生産性の日本。要因はマネジメント能力?! シンガポールでタクシー運転手に「日本車に乗っているのね」と話しかけると、「reliable(信頼できるからね)」と返ってきました。海外に出ると、日本の商品やサービスが高く評価されていることに気付かされます。特に日本の製造業と建設業は、工

アジア経営論考(3) 「会社の強さ」とは何か?

経営資源に目を向ける 「私たちの会社の強みを活かそう」というような議論がされることがあります。「会社の強み」とは何のことでしょうか。あるいは、「会社に強みがある状態」というのは、どういう状態のことでしょうか。今回は、こういったことについて考えていきたいと思います。 経営学の世界では、大きく2つの視点

シンガポールの社員退職手続き

終身雇用・年功序列といった日本の伝統的人事制度はシンガポールではおおむね通用しません。つまり、社員の満足度を向上させなければ社員は退社(他社へ転職)しますし、逆に会社へ価値を提供できない社員は解雇となるのも当たり前という、ある意味で柔軟な雇用制度がシンガポールの特徴ですので、日本よりも社員の退社とい