海外拠点において見落としがちな1on1ミーティングの課題と効果的な導入・運用方法

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変化が激しく、各世代によって考え方が異なる時代において、マネジャーと部下のコミュニケーションはますます重要になってきています。そのマネジャーと部下のコミュニケーション手法として、最近各企業で導入されているのが1on1ミーティング(以下1on1と記載)です。

1on1では、部下とマネジャーの1対1の面談のことを指し、基本的には部下の悩みや課題を一緒に解決していく場として、活用されているケースが多いです。

部下の悩みや課題を理解し、マネジャーがアドバイス、コーチングしていくことで、マネジャーが親身になって自分のために考えてくれている感や成長実感を感じ、モチベートされたり、エンゲージメントが高める効果があると言われています。

しかし、1on1は形骸化しやすい手法でもあります。というよりも、実施する意味を段々感じにくくなる手法とも言えます。

1on1を導入するとよく起こる現象は、

  • 毎回同じ内容(業務の進捗など)を話し、
  • どんどん何を話せばいいのかがわからなくなってきて、
  • 1on1の回数を減らそうとなり、
  • 定期的ではなく、部下の必要なタイミングで行えば良くないか?

となり、結果的に1on1を導入しているかいないか分からない状態になってしまう、つまり形骸化してしまったという事例をお聞きします。

ただ、1on1の導入で有名なヤフーやGoogleといった企業では、1on1の効果を実感し、今でも定期的に実施しています。

また、1〜2ヶ月に1度、1on1を実施しているマネジャーのチームと実施していないチームとで、エンゲージメントスコアの差が異なることを科学的に証明されています。* 参照: wevox研究事例

つまり、1on1を行うことは、組織にとって効果的ではあるものの、形骸化させない仕掛けが必要になります。

この記事では、1on1導入における理想の組織像から、そこへ辿り着くためのステップ、また形骸化させない仕掛け作りのための施策をご紹介していきます。

1on1導入における理想の組織像

1on1導入の目的は、大きく3つに分けることができるかと思います。

  • 自律的人材の育成
  • エンゲージメントの向上(早期退職の防止)
  • イノベーションの創出

これらから一つを選択するというわけではなく、組織にとって必要な目的を選択し、それらに沿った理想の1on1を考えることが重要です。

自律的人材の育成を目的にする場合、1on1の内容は経験学習サイクルを回し、部下にとってリフレクティブな内容を1on1で話します。

エンゲージメントの向上の場合、部下の悩みや課題をマネジャーが聞き出し、一緒に解決していくような1on1を目指します。

イノベーションの創出の場合、1on1内で現場からの良いアイディアや組織課題を拾い上げ、それらを組織内で循環させ、組織の戦略・施策に落とし込んでいく仕組みが必要になってきます。

あなたの組織は、1on1導入においてどういった組織像にしたいのか?を今一度考えてみてください。

見落としがちな海外拠点における1on1導入の課題

いざ1on1を導入しようと考えた時に、一度立ち止まって欲しいです。

よくあるのが、書籍やWEBの記事で「部下の話をまず聞きましょう」や「業務以外のことを話しましょう」といった記載が書かれていることから、社員にその考えを押し付けることです。

海外拠点において、駐在員の交代制や各国の文化的背景から、部下とマネジャー間で信頼関係がまだ構築できていない場合もあります。

また、日本ではお酒の場などで、マネジャーに悩みを相談するといった機会がありますが、海外拠点は当たり前ではありません。そもそも部下がマネジャーに悩みを相談することや、自分の失敗経験を伝える行為をしたことがない、または弱みを見せると自分が不利な状況になってしまうと感じてしまう部下もいると思います。

そういった社員に対して、「部下の話をまず聞きましょう」や「業務以外のことを話しましょう」と伝えても、何を1on1で話せばいいのか分からず、1on1の意義を感じてもらうのに時間がかかってしまいます。

そのため、いかに部下の目線や組織内の状況から見て、どういった1on1から始めればいいのか?を人事部やマネジメント側は考えなければいけません。

海外拠点において1on1の3つのステージ

 

ステージ① 評価面談や進捗確認の延長としての1on1 

初めに、業務上、必要なコミュニケーション(業務や個人目標に対する進捗確認や、フィードバック)を1on1で実施しましょう。海外拠点では進捗報告が日本よりも頻繁でないことから、業務や個人目標に対する進捗などが共有できていない場合が多いです。

また、業務上の話は部下もマネジャーも話しやすいテーマではあり、マネジャーも進捗を共有してもらえる機会になるので、1on1の有り難みを感じやすいです。

ここで注意しなければいけないことは、マネジャーが部下の進捗に対して詰める場ではないことです。詰める場となってしまうと、部下の心理的安全性が低くなり、1on1を実施することが恐怖と感じ、実施されなくなっていきます。

部下の進捗に対して、なぜそうなったのかを一緒に考えるように、マネジャーに施すことで、部下とマネジャーという関係ではなく、対等なコミュニケーションの場を創ることができます。
また、この対等なコミュニケーションの積み重ねが次のステップへつながる重要な鍵となります。

ステージ② 部下の悩みを聞き、一緒に解決するための1on1

業務のテーマで対等なコミュニケーションの場を作ることができてきましたら、より部下のエンゲージメントを高めるために、業務以外の話題も促してみてください。

皆さんも経験があると思いますが、組織に対する不満は何も業務のことだけではありません。人間関係や会社の方向性など、様々な要因があるかと思います。

そのため、1on1では、業務以外のテーマも幅広く部下の悩みや課題を解決していくことが大事になってきます。

これはマネジャーと部下の間である一定の信頼関係がないと、部下がマネジャーに業務以外のことを相談しようと考えないため、2ステージ目としています。

ここでは、部下の話をとりあえず聞いてあげること、そして部下の話の整理に徹底し、部下自身で次のアクションを引き出せるよう導くことをマネジャーに働きかけてください。

また、マネジャーとしてできることがあれば、積極的に手伝ってあげることも重要です。

一緒に問題を解決する行動や姿勢を見せてあげることで、部下はモチベートされ、また自分自身の課題を自分で解決しようとする行動へ繋がっていきます。

ステージ③  部下の成長のための1on1

3ステージ目は、現状起こっている課題を解決することだけにフォーカス当てずに、もう一個上の視点まで引き上げて、部下の成長を促進させるフェーズです。

ステージ②では、マネジャーと部下で、悩みを整理していくことで、ネクストアクションを鮮明にしていくことを行っています。ただ、毎回マネジャーがいなければ課題を整理できない状態では、 自分の意志で考えて行動に移せる自律型人材にはまだ至っていません。

課題が整理できていない状況を生み出している原因の一つとして、物事を俯瞰的に考えられていないことが挙げられます。

そこで、このステージでは、自分自身の状況や感情を俯瞰的に整理し、アクションに落とし込んでいくことを促していきます。
1on1を実施する際のポイントとしては、「この悩みをマネジャーに話して、マネジャーにどうして欲しいのか?・何を支援して欲しいのか?」まで部下が事前に考えてもらうよう、働きかけます。

この働きかけは、自分という存在だけでなく、マネジャーという立場にもなって考える必要が出てきます。つまり、俯瞰的に見て、何が問題・悩みなのか?を考え、マネジャーの立場になって何をサポートして欲しいのかを整理する力を身につけることができます。

このような俯瞰して物事を思考する・内省する力を各社員が獲得することによって、より健全な議論が生まれ、その結果、職場の心理的安全性の向上、最終的には社員のエンゲージメント向上へつながっていきます。

ステージ3の組織へ成長するためには、マネジャー自身が俯瞰的に物事を整理できていたり、それを部下に教えられる程のスキルを持っていることが前提です。

そのため、マネジャーがレベルアップするための研修や上司のサポートが必要になることを人事やマネジメント側は考える必要があります。

1on1をより効果的にするために

状況把握:1on1を組織的にモニタリングする

ここまで海外拠点において1on1の3つのステージをご紹介してきましたが、何のテーマを話しているか、その結果部下はどう感じているのかを組織的に、リアルタイムで把握しないと、ステージを見分けるや、1on1への仕掛けを作ることはできません。

1on1で有名なヤフーも3ヶ月に一度のサーベイで状況把握をしたこそ、今まで続いていると言われています。

そこで、1on1で話されているテーマや、部下がマネジャーとの1on1で感じていることをリアルタイムでモニタリングできるツール「KAKEAI」があります。

KAKEAIの優れている機能の一つとして、事前にテーマが用意されており、そのテーマに対して、部下はマネジャーにどうして欲しいのかというリクエストを出すことができます。

そのリクエストを部下自身が事前に考える・そしてマネジャーが部下の期待を事前に知ることで、お互いに準備した状態で1on1を挑むことができます。

また、部下が選択するテーマを集計することができるため、組織的に社員が何に困っているのか?をマネジメント側はダッシュボード上で把握することができます。

その社員の悩みをリアルタイムに可視化することで、瞬時に打ち手を講じることができ、この1on1によって組織が改善されていくことを実感していくことで、1on1の形骸化を防ぎ、結界として、エンゲージメント向上へつながっていきます。

弊社は海外で初のKAKEAIの販売パートナーとして、在アジアの海外拠点に導入支援を行っております。デモ動画も用意していますので、お気軽にお問い合わせください。

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施策実行:各ステージに沿った研修やサポートを行う

各ステージに沿った研修やサポートを人事側でぜひ考えてあげてください。

特に、コミュニケーションがそもそも得意ではないマネジャーにとって1on1は、苦痛となる可能性があります。そのため、導入してから一切サポートがない状況が続けば、形骸化していくことは目に見えています。

きちんと、コミュニケーション研修、コーチング研修など、各ステージで必要な研修・サポートを実施していくことで、1on1の効果が継続し、組織にとって新たな変化となる施策になります。

まとめ:

いかがだったでしょうか?

書籍やネット上では、1on1ミーティングの概要や、実際話す内容などは書かれていると思いますが、実際1on1ミーティングを組織的に導入すると、どう段階的に導入していけばいいのか?を考えていく必要があります。

本記事が、これから組織的に1on1を導入する企業様の人事部やマネジメントに対して、少しでもお役に立ちましたら幸いです。

もし1on1についてお困りごとやお悩みがございましたら、無料個別相談会にご応募いただけますと、弊社コンサルタントが課題解決に向けてのヒアリング・提案をさせていただきます。ぜひご活用くださいませ。

 

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米田 晃

B2B SaaS事業支援スタートアップ企業を経て現職。beyond globalにおいては東南アジアにおける日本企業への人事制度構築支援、人事制度運用サポート、及び社内のPerformance Management・1on1導入プロジェクトを担当している。

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