使えるビジネス英語の勉強法 ~ビジネス英語を習得するための4つのステップ・6つのポイント~

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海外で働く人に限らず、国内でも英語力が求められる機会が増えてきました。

あなたもその必要性を感じてきているのではないでしょうか。

ビジネス英語を強化することは、今でも大きなビジネス課題の一つとされていますが、そもそも「ビジネス英語」が使いこなせている状態とは、どのような状態でしょう。

例えばそれは、

〇 的確に指示を出すことができ、上手に人を動かし成果を上げられる

〇 ビジョンや方向性を明確に示し、メンバー全員を同じ目標に向かわせることができる

〇 ビジネス交渉において、良い関係構築ができ、商談結果の落としどころを見出せる 

 

といった状態であり、

× TOEICで高得点が取れる

× 難しい単語を多く知っている

× ハリウッドスターのようなネイティブ発音ができる

 

という状態では無いはずです。

お分かりのように、ビジネス英語は実践的であり、英語を使ってできる限り的確に意思・意図を伝え、相手を動かし成果を上げることが目的です。

TOEICの点数などは高いに越したことは無いですが、仮に流暢に発音が出来たり、TOEICスコアが満点に近かったとしても、ビジネス英語を使える状態であるとは限りません。

もしあなたが、これまでかなりの時間とお金を投資してきたにも関わらず、ここで言う「ビジネス英語」の上達に苦労されていれば、それはこれまでの勉強法を見直すタイミングに来ているのかもしれません。

この記事では、ビジネス英語が使えるようにならない問題点とともに、今ビジネスで求められている英語習得のための勉強法を4つのステップ、6つのポイントをまとめて紹介していきます。

 

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目次:

1.なぜビジネス英語が使えるようにならないのか

2.ビジネス英語の勉強前に必要なたった一つの「準備」

3.ビジネス英語に向けた勉強法:4つのステップ

3-1 Step1(Input):ビジネス英語に必要な最低限の基礎を固める

3-2 Step2(Input):ビジネスシーンのイメージ化とフレーズ化

3-3 Step3(Input/Output):フレーズ活用勉強法(つぶやき実況)

3-4 Step4(Output):フレーズ活用勉強法(一人ロールプレイング)

4.勉強したビジネス英語を実践的にするための6つのポイント

4-1 Point1:ビジネス英語は机上ではなく実践で学ぶ:「失敗」ではなく「調整」

4-2 Point2:簡潔にまとめて分かりやすさにこだわる:5Wの原則+熟語

4-3 Point3:完璧な文章ではなく完結した文章を作る

4-4 Point4:ネイティブ英語ではなく「世界で通じる英語」を意識する

4-5 Point5:日本語独特の表現を避ける:「遠慮」と「曖昧さ」

4-6 Point6:語彙力や流暢さではなくロジカルシンキングを鍛える

5.まとめ

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1.なぜビジネス英語が使えるようにならないのか

これまで多くの日本人の英語力が向上しない理由として、しばしば学校教育の問題などが取り上げられますが、ここでは本質的要因を次のように捉えています。

1.勉強の目的がズレている

2.勉強の必要性に駆られない

3.勉強量が圧倒的に不足している

 

それぞれ、どういうことか見ていきましょう。

 

1-1 勉強の目的がズレている

そもそも、求められているビジネス英語のために必要となる勉強内容と、実際に行っている勉強内容の目的的なズレは、最たる要因の一つです。

言ってしまえば、闇雲にTOEIC対策や「〇日で英語ができる」系の本に飛びつき、途中で挫折し、最終的に「なぜ英語ができないのか」という悪循環にハマってしまっている人が、とても多いように感じます。

また、目的がスコアアップに置かれている人の多くは、少しでも英語が使えることに満足感を感じてしまい、ビジネス英語の本来目指すべき「英語で人を動かし成果を出す」ことが、真剣に目的化されていません。

ビジネス英語の習得には、あなたに求められているビジネス英語とは何で、いったい自分が習得した英語をどう使うのか、その目的を明確に持つことが求められます。

常にそのような目的意識を持ちながら勉強することで、始めてどのような教材であっても、より実践性を持ったビジネス英語の勉強法に変えることができます。

 

1-2 勉強の必要性に駆られない

ビジネス英語を勉強する必要性に駆られなければ、なかなか英語は身に付きません。

日本国内でビジネス英語の必要性に駆られる場面といえば、例えば海外企業とのメールや電話でのやり取りや、TOEICスコアの入社や昇格への影響などでしょうか。

ビジネス英語では自分の意向を伝え、相手をうまく動かして成果を上げることが目的ですので、成果が上がらなければ、自分の評価にもダイレクトに返ってきます。

例えば、次のような状況下であれば、一気に危機意識が芽生え、勉強意欲に火が付くかもしれません。

  • あなたの意図することが伝わらないことで、部署の成果を上げることができない。

  • 上手く組織をリードできずに、メンバーがどんどん辞めてしまう。

  • 成果が出せず、最終的に自分の評価が下がってしまう。

ビジネスにおいては、こうなってしまったら手遅れですね。

このような状況を作らないために、その前にビジネス英語を勉強する必要性に駆られるような環境下で、目的意識や危機意識を持たなければいけません。

特に時間のないビジネスマンとって英語向上を実現するためには重要ですが、そのような環境があまりないことが実態です。

このような環境不足による本当の必要性の欠如が、使えるビジネス英語ではなく、使えない勉強英語から抜け出せない足かせとなっています。

 

1-3 勉強量が圧倒的に少ない

ビジネスでコミュニケーションを取るためには、やはりある程度の勉強量とそのための時間は必要です。

勉強量が多くても伸びない人がいれば、それは勉強の質や方向性などを見直す必要がありますが、そもそも勉強量が足りない人も多いのではないでしょうか。

勉強量を問題点として取り上げると、よく「英語は中学・高校から勉強してきたのに」と返ってきますが、果たして本当に十分な勉強量だったのでしょうか。

中学時代や高校時代までの勉強量と、ビジネス英語に必要とされる勉強量を可視化してみることにしましょう。

 

1-3-1 英語習得に必要とされる勉強量と実際

一般的な英語習得に必要とされるのは3,000時間以上と言われていますが、日本の中学・高校の6年間では、実は合計で800時間未満と圧倒的に少ないのです。

 

・中学:3年間で350時間(50分×140コマ×3年)

・高校:3年間で437時間(50分×175コマ×3年)

合計:6年間で787時間

※1年間35週として、中学は1週間に4コマ、高校は1週間に5コマ

※参照:厚生労働省「学習指導要領『生きる力』」

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/1356249.htm

 

この勉強時間数に、どれだけ予習・復習の時間や、大学などで学んだ時間を加えるかですが、残りの2,213時間は決して少ない勉強時間数ではないことが分かります。

例えば、単純に中学・高校時代を同じ時間だけ予習と復習に充てた場合、大学4年間ではどれだけ勉強する時間が必要になるでしょうか。

 

・中学予習・復習:350時間(毎週約3時間20分以上の予習・復習)

・高校予習・復習:437時間(毎週約4時間10分以上の予習・復習)

残り時間:1,426時間 (=2,213時間-787時間)

 

残り時間の1,426時間を大学4年間で割れば、1年間で356時間です。1週間に3時間半、毎日30分の学習を4年間続けられていたか、という単純計算となります。2年間の短大や専門学校であれば、単純に倍の時間を必要とします。

個々人の予習復習の時間や本気度の違いなどから、必要となる勉強量は一概に言えたことではありませんが、どれだけのボリューム感であるかは、理解いただけたのではないでしょうか。

 

1-3-2 ビジネス英語の習得に必要とされる勉強量

いわゆる「ビジネスで困らないレベル」に必要とされる英単語数量は、約8000語~1万語と考えられています。

仮に、あなたが今3000語活用できるとして、1万語まで単語数を増そうとすれば、どのくらいの時間がかかるでしょうか。

1年を52週として1週間で135語、1日では約20語ずつ覚えていかなければなりません。逆に、1週間に10語ずつ覚えようとした場合には、順調に進めば1年で520語、7000語増やすには13年以上かかります。

単純計算ではありますが、想像している以上に、英語習得のための基礎を固めるには、膨大な時間や労力がかかるのです。

もし、どれだけの単語数を取得しているのか試してみたいときは、例えばアルク英語出版編集部が出している『究極の英単語』(Standard Vocabulary List :SVL)のシリーズなどでチェックしてみてはどうでしょうか。

日常英会話に必要な1000~3000語から、大学受験レベルに必要とされる3000語~6000語と、ちょうど3000語ごとのレベル別でリスト化されています。

ここでは、あくまで「なぜ英語が出来ないのか」という疑問に対して、学習内容だけではなく、勉強量ということに関しても、決して多くはないことを示しておきます。

 

1-3-3 ビジネス英語の必要単語数は決まっていない

これまで求められる単語数や勉強時間を単純計算してきましたが、一概に「ビジネスで困らないレベル」と言っても、その数や量は相手や目的によって異なります。

「ビジネスで困らないレベル」の単語数、約8000語~1万語はあくまで目安でしかありません。

例えば、「そのデータは誤りだ」という文章を、”The data is erroneous.”という単語で表現したときに、相手がノンネイティブスピーカーであれば、「もう一度言って」と聞き返されます。それであれば、最初から”The data is wrong.”と簡単な単語を使用するほうが賢明です。

相手がネイティブスピーカーだったとしても、「彼はとても社交的ですね」を”He is very gregarious.”と表現したら、「そんな表現は一度も使ったことがない」と言われることもあります。

これはあくまで感覚ですが、先ほどのアルク『究極の英単語』における単語数で、ノンネイティブスピーカーとの通常の会話では、正直3000語レベルの単語が使いこなせていれば、実際は十分成り立ちます。

ネイティブスピーカーとの会話であっても、専門的な会話でなければ、8000語レベル以上の単語が出てくる頻度はかなり低いです。

単語を多く覚えていて損はありませんが、いざ実践で使ってみたときに、どの単語レベルが誰に伝わるのか、どのような場面で使われるのか、実際に使いながら学んでいきましょう。

 

2.ビジネス英語の勉強前に必要なたった一つの「準備」

ビジネス英語の具体的な勉強法に入る前に、やるべき「準備」はたったの一つです。

それは、「勉強時間を作ること」です。

英語の基礎学習には、かなりの時間と労力が必要であるか理解頂いたと思うのですが、残念ながら英語ができない人の理由でとても多いのは、「時間がない」です。

ビジネス英語は出来る出来ないではなく、やるしかないのですが、そのためには時間がなければ何も始まりません。

英語を上達させている人は、この非常にシンプルかつ重要な「準備」をして勉強に臨んでいます。

 

・隙間時間を活用する

・早起きをする

・休憩時間を使う

・優先順位を変える

・飲み会を減らす

 

まずは、「どうすれば時間を作れるか」から考え始めましょう。

 

3.ビジネス英語の勉強法:4つのステップ

勉強時間を確保できたら、勉強ステップを踏んでいきましょう。

ビジネス英語はOUTPUTが主流ですが、INPUTがなければOUTPUTすることができません。

STEP1、STEP2ではOUTPUTの前提となるINPUT方法について、またSTEP3、STEP4では、INPUTしたもののOUTPUT方法について触れます。

 

・Step1(Input):ビジネス英語に必要な最低限の基礎を固める

・Step2(Input):ビジネスシーンのイメージ化とフレーズ化

・Step3(Output):フレーズを活用したロールプレイング

・Step4(Output):実際にアウトプットできる場を作る

 

3-1 Step1(Input):ビジネス英語に必要な最低限の基礎を固める

どんなスキルにも基礎は絶対に必要です。英語学習も然りで、逆に必要最低限の基礎さえ固めてしまえば、上達スピードを早めることが可能です。

但し、時間がなかなか作れないビジネスマンにとって、一から全て学習することは難しいですし、それは必要ありません。

ビジネスで圧倒的に必要とされる基礎は、単語力です。

文法や発音ももちろん重要です。しかし、すぐにビジネス英語として使うためには、単語の優先順位が上です。

人によっては文法や発音にこだわりすぎている人もいるようですが、そこに固執しすぎて使えなければ本末転倒です。

かなり雑に言ってしまえば、文法は主語(S)と述語(V)の関係性を読み解き、それぞれについてどう説明されているか理解できれば十分です。

発音に関しては、日本人が不得意とするth,r,l,v,f,whなどの発音練習と、リエゾン(文字の結びつき)などによって音が変化に気づき、英語は文字通りに発音しないというルールを理解してしまえば、この時点でそれ以上の勉強は不要です。

文法や発音以上に、単語を知っているかどうかはビジネスにおいてとても重要であり、文書や会話における理解度に大きな影響を及ぼします。

 

3-1-1 単語を覚えるためのコツ

単語を暗記するということが苦手な人は多いはずです。暗記は覚えられなければ、イライラしますし、ストレスが溜まります。

しかし、英語学習から暗記作業を外すことはできません。

ですので、なるべくストレスなく覚えられる方法を自分なりに見つけていくことが大切です。

暗記方法は十人十色ですが、例えば次のようなことを意識することで、暗記スピードを上げることが可能です。

 

  • 正しいスペルを覚えようとしない

  • CD付教材を活用して必ず音読する

  • 絵やイラストとともに覚える

  • 日常生活のリアルを英語に変換する

 

暗記をする際、正しいスペルを最初から書こうとする方がいますが、スペルを正しく覚えるよりも、文字を見て実物をイメージできるようにすることの方が重要です。正しいスペルは、何度も何度も繰り返し目にすることによって、徐々に修正されていきます。

また、暗記は必ず音読をすることをお勧めします。その理由は、単語の暗記は頭だけで覚えるのではなく、どのように口の筋肉を使って発音するのかなど、身体で覚えていくものです。最終的にビジネス英語としてアウトプットが目的であることもあり、最初からOUTPUTできる状態にしていきましょう。

どうしても覚えられない単語については、絵を描いたり、付箋を使って日常の実物と合わせて覚えていきます。日本語で「でんたく」と聞いて、「電卓」という文字ではなく実物を思い描くように、”calculator”と聞いたら、「電卓というモノ」そのものをイメージできるようにしていきましょう。

最後に、日常生活そのものに英語を取り入れていくことは、最も有効な暗記方法と考えています。あなたが朝スーツに着替えるとき、その行為を「今”put on a suit”をしている」と変換したり、電車がいつもより混んでいたら「今日はいつもより”crowded”だな」と、リアルに結びつけます。

まずは暗記法を工夫しながら、ビジネス英語の基礎となる単語力を強化していきましょう。

 

3-1-2 単語は「使えるレベル」まで繰返す

どの程度まで暗記すれば良いかと言えば、間違いなく「使えるレベル」までです。

「使えるレベル」というのは、例えば接待でお寿司屋さんに行ったときに、突然クライアントに「これ(サバ)は何ですか」と声を掛けられて、”mackerel”と咄嗟に変換できるレベルを目指しましょう。

咄嗟に使えるレベルまで暗記の努力をしていくと、より自信を持ってコミュニケーションが取れるようになり、覚えたものを使いたいという気持ちになってきます。

ただし、最初から咄嗟に出てこなければダメというわけではありません。咄嗟に出てこなかった経験から、逆に忘れられない単語として覚えられることもあるように、実践の機会があればそのときに使える単語を覚えていきましょう。

ビジネス英語を習得するために単語を暗記するのであれば、目指すべきは「使えるレベル」です。

 

3-2 Step2(Input):ビジネスシーンのイメージ化とフレーズ化

スピーディにビジネス英語を習得していくためには、イメージ化とフレーズ化が有効です。

繰り返しになりますが、ビジネス英語は使えなければ意味がありませんので、できる限り使える場面を想定しながら学習していきます。

あなたの身の回りのビジネスシーンをイメージしながら、それを簡潔にフレーズ化していきましょう。

ここで重要なことは、必ず次の順番で進めてください。

フレーズ化ありきでインプットしようとすると、自分事としてイメージ化できず、記憶に定着しづらいことと、覚えても使わずにどんどん忘れてしまいます。

3-2-1 ビジネスシーンを具体的にイメージする

それではいくつかビジネスシーンを想定して、徐々に具体化していきましょう。

 

  • 電話応対

  • 資料作成

  • 会議進行

  • 上司への報連相

  • 部下との関係構築

 

例えば「部下との関係構築」で考えてみましょう。

 

 <新しく入社した部下に対して>

  • どんな仕事をしてきたのか聞きたい場合

  • 趣味や特技を聞きたい場合

  • 組織やメンバーのことを紹介する場合

  • 困っていることがあれば気軽に声をかけてもらいたい場合

 <同グループで一緒にやってきた部下に対して>

  • 部下から本音を聞き出したい場合

  • 悩みがあれば相談に乗ると伝えたい場合

  • 成果に対して心から褒めてあげたい場合

  • 部下の昇格に伴い、これから期待していることを伝えたい場合

 

自分の身の回りのことをイメージできたら、次はフレーズ化していきます。

 

3-2-2 イメージしたものをフレーズ化する

 

同グループで一緒にやってきた部下に対して、「悩みがあれば相談に乗ると伝えたい場合」には、次のような会話が想定されるでしょうか。

いきなり英語でフレーズ化することが難しい場合は、一旦日本語でフレーズ化していきます。

 

フレーズ(日本語)

  • 最近元気ないみたいだけど、大丈夫?

これを英語フレーズに変換していきましょう。

フレーズ(英語)

  • You seem a little down these days. Is everything OK?

 

このように、最初は日本語かつ一つのフレーズを作って覚えるだけでもOKです。慣れてきたら、一回にいくつかのフレーズを作っていきましょう。

 

フレーズ(日本語)

  • 何か自分にできることが無いかなと思ってね。

  • いつでも力になるから。

フレーズ(英語)

  • I was wondering if there is anything I can do for you.

  • I’m here for you. Don’t hesitate to come and talk to me.

 

このように一日で3つの短いフレーズを作成することを目標にして、それらは組み合わせること。

張り切り過ぎて、最初からフレーズを作りすぎてしまうと、覚えられず挫折してしまうので気を付けましょう。

フレーズ化には基本的に難しい単語は使わず、あなたが咄嗟に使えることが重要です。

ビジネスシーンは人によっても違いますし、書き出そうとすれば切りがありません。

重要なことは、あなたにとって求められるビジネスシーンをイメージして、フレーズ化することですので、そのことを忘れずに意識してください。

 

3-2-3 フレーズは「借文」する

最初から英文に訳せないと思われるかもしれませんが、ポイントは自分で最初から作らないことです。簡単に英文を作れる人は別ですが、そうでなければ時間がかかり過ぎてしまいます。

ですので、ここでは「借文」をします。

つまり、使えるものは拝借させていただきましょう、ということです。

フレーズを考える際は、場面別にフレーズをまとめたビジネス英語本を参考にしたり、信頼度さえ見定められれば、インターネット上にも使える英語フレーズは無数に存在します。

ビジネス英語は、伝わることが重要であることと、フレーズを作ることに時間をかけ過ぎてしまわないためにも、既存のフレーズを活用していくことはとても重要です。

 

3-3 Step3(Input/Output):フレーズ活用勉強法(つぶやき実況)

OUTPUTすると言っても、オンライン英会話のようにいきなり対人でコミュニケーションを取る方法ではなく、ここでは一人でできるOUTPUT勉強法を紹介します。

また、ここではOUTPUTをしながら、INPUTの強化にもつながる方法をご紹介します。

一つの有効な勉強法としては、つぶやき実況です。

これは、目の前のリアルなビジネスシーンに対して、覚えたフレーズを活用しながら状況の説明をしていく勉強法です。

この方法は、先ほど単語の暗記方法で触れたように、リアルと結び付けるという点では同様ですが、既にフレーズ化したものを活用して、もっと具体的に説明していきます。

例えば、会議においてとても分かりやすいプレゼンテーションを行っている人がいれば、

 

“His presentation is very simple and easy to understand.”

(彼のプレゼンテーションはとても簡潔で分かりやすい)

 

とつぶやいてみます。

または目の前の動作だけではなく、取引先の迅速な対応に対して御礼メールを送りたいと考えていれば、

 

“Thank you very much for your quick response.”

“I am very grateful with your quick response.”

(迅速にご対応いただき、有難うございます/感謝致します)

 

などと、英語であればどのように言うか、つぶやき実況します。

もし余裕があれば、目の前の状況に対して自分の意見を加えてみましょう。

先のプレゼンテーションの例であれば、素晴らしいプレゼンテーションという実況中継だけにとどまらず、そのプレゼンターに対する自分なりのコメントを考えてみます。例えば、

 

“I was very impressed with your excellent presentation, especially your use of graphs on page 7.”

(あなたの素晴らしいプレゼンテーションに感銘を受けました。特に7頁のグラフの使い方など)

 

用意したフレーズでなければ、言葉に出てこないと考えられるかもしれませんが、出てこなければ無理に出す必要はありません。

むしろ、フレーズは完璧に覚えている必要はありませんし、全てのビジネスシーンを完全網羅することは出来ません。

むしろ「このビジネスシーンは使えそうだけど、どんなフレーズがあるだろう」と意識し、次回に活かしていくことが大切です。

つぶやき実況では、OUTPUTだけではなくINPUTとの繰り返してによって、フレーズを更に増強できることと、実践力を高めていくことができます。

 

3-4 Step4(Output):フレーズ活用勉強法:(一人ロールプレイング)

リアルビジネス実践の前に、リアルを出来るだけイメージしたOUTPUT環境の下、身に付けたフレーズをフル活用していきましょう。

ここでは、一人ロールプレイングをお勧めします。

言い換えれば、イメージトレーニングの実践版でしょうか。

 

ロールプレイングは二人一組が一般的ですが、一人でやることで緊張せず、気兼ねなく行えるはずです。

一人なので恥ずかしがらず出し切ることがポイントです。

 

まずは、あなたの身近なビジネスシーンを想定して、設計していきます。台本が必要なほど長いものである必要はありません。

例えば「悩みがあれば相談に乗ると伝えたい場合」のフレーズを使う場合、あなたの前に部下の〇〇さんが座っていることを思い描き、自分から声をかけ、相手からどのような反応が返ってくるか想定してみましょう。

また、あなたはその場で突然話しかけるのか、どこか違う場所に連れ出して悩みを聞いてあげるのか、一体どのように声をかけてあげられるか、できるだけ具体的にイメージしながら話しかけていきます。

 

なお、人形やモノに向かって話しかけると、幾分イメージが湧きやすく、気持ち的にも真剣度が増すかもしれません。

このとき、必要となるようなフレーズが新しく浮かんだら、更に付け加えてストックしていきます。

なお、最初は文字を見ながらでもいいかもしれませんが、フレーズが身体に染みついてきたら、徐々に文字を見ずに動作や表情などを変えながら語りかけてみましょう。

 

一人ロールプレイングは継続してやっているうちに、スムーズさが増すとともに、言葉に感情が乗るようになり、英語を自分の言葉として使えていることが楽しくなってくる瞬間があります。

このときに感じる「英語を使えている感覚」が、まさに実践力となっていきます。

 

このようにOUTPUTは、相手がいなくてもトレーニングすることができます。

いきなり相手のいるキャッチボールから始めるのではなく、まずは壁にボールを投げるような感覚で、自分の好きなようにイメージしてOUTPUTしてみましょう。

あなたの求められる役を演じ切り、リアルビジネスにおいて英語を使って活躍しているあなたの姿を描いていきましょう。

 

4.勉強したビジネス英語を実践的にするための6つのポイント

この章では、これまでの勉強ステップを更に効果的にするために、抑えるべきポイントを6つにまとめました。

これらのポイントを意識することは、ビジネス英語の勉強の支えとなります。

 

Point1:ビジネス英語は机上ではなく実践で学ぶ:「失敗」ではなく「調整」

Point2:簡潔にまとめて分かりやすさにこだわる:5Wの原則+熟語

Point3:完璧な文章ではなく完結した文章を作る

Point4:ネイティブ英語ではなく「世界で通じる英語」を意識する

Point5:日本語独特の表現を避ける:「遠慮」と「曖昧さ」

Point6:語彙力や流暢さではなくロジカルシンキングを鍛える

 

4-1 Point1:ビジネス英語は机上ではなく実践で学ぶ:「失敗」ではなく「調整」

これまでの繰り返しにもなりますが、ビジネス英語は実践性が伴わなければ意味がありません。

INPUTのステップはあるものの、最終的にはOUTPUTまで結びつけることが必ず必要になります。

実践につながらない原因はいくつか考えられますが、その一つは「失敗への恐怖」ではないでしょうか。

特に、間違いをひたすら是正される教育では、間違えることや失敗することへの恐怖心が強く育ってしまっています。

英語表現を間違えたことによって、あなたはまわりの目線を気にしてしまうこともあるかもしれませんが、それは「失敗したくない」という恐怖心があるはずです。

もしこのような原因で、なかなか積極的に言葉に出すことができないという人がいれば、英語学習の際は次のようなことを意識してみてください。

 

「間違えることが怖い」「失敗することが怖い」⇒「間違えることは失敗ではなく、伝わるかどうかの調整」

 

そもそも間違えることは失敗することではありません。

「失敗」ではなく「調整」という言葉に置き換えることによって、自分の中にある恐怖心を抑えていきましょう。

発音一つとっても言えることですが、どのような英語表現が、どの人に、どの程度伝わるのかも、正直バラバラであることはお伝えした通りです。

それぞれのビジネスシーンにおいて、なぜ伝わらなかったのかだけではなく、どのようにすれば伝わったのか、すべて「調整」をしているという考え方を持ちましょう。

考え方の違いで、積極性が変わり、習得スピードが変えられます。

 

4-2 Point2:簡潔にまとめて分かりやすさにこだわる:5Wの原則+述語

人によっては、積極的に伝えようとはするものの、うまく伝わらなかった経験があるのではないでしょうか。

伝わらない原因には、発音や単語の誤使用によって生じるものもありますが、本当に伝えたいことに焦点が当てられていない場合も考えられます。

焦点が当てられていない文章は、主に日本語をそのまま訳そうとして起こり、英語になったときに一体だれが、どこで、何をしていたのかが分からない支離滅裂なコミュニケーションに陥る原因となります。

また、ある程度英語力が上がってくると、上記で触れてきたフレーズの一つ一つを更に長く、複雑に組み合わせていくようになることもありますが、ビジネス英語はあくまで簡潔にまとめることがとても重要です。

簡潔な文章、フレーズを作成するために「5Wの原則+述語」を使い、まとめていくことは有効的です。

まずは日本語でも5Wを意識し、英語に変換する癖をつけていきましょう。

簡潔な文章は、使えるビジネス英語に結びつけるための、最も簡単で有効な方法の一つです。

 

4-3 Point3:完璧な文章ではなく完結した文章を作る

完璧な文章にこだわり過ぎてしまい、なかなか英語を使うことに躊躇してしまう人がいます。

使えるビジネス英語に求められるのは、完璧な文章ではなく、完結した文章です。言い換えれば、言い切ることが容易である文章です。

そして、あまり悩まなくても口に出すことのできる文章を作ることを心がけましょう。

例えば、次のような文章ではどうでしょうか。

Please make sure from now on that the data you use for the presentation are absolutely accurate and reliable before you prepare any presentations like this.
(今後、このようなプレゼンテーションを行う場合は、そこで使っているデータが間違いなく正確で信頼性のあるものなのか必ず準備段階で確認するようにしてください)

これでは正直とても長く、一つ一つ間違えないように覚えて発言していくには、しんどさを感じてしまいます。

このように、一つの文にまとめようとすると、途中で言葉が出なくなってしまい、完結できないまま終わってしまったりもするのではないでしょうか。

この文章であれば、次のように表現を工夫しながら、一つ一つを簡潔にして完結させていきます。

I think it is good to use data for presentations.
But when you do so, please make sure if it’s adequate in advance.
Because it may bring reliability problem.
(プレゼンテーションにデータを使うことは良いと思います)
(ただ、そのようにするのであれば、それが正確であることを事前に確認してください。)
(そうしなければ、信頼の問題につながります)

この程度の短さであれば、悩むことなく一つ一つを完結させることができるはずです。

ですので、フレーズ化するにあたっても、どうしても長くなりそうであれば、どこかで区切るか、表現を工夫することによって、実践で「完結させられるか」を意識していきましょう。

 

4-4 Point4:ネイティブ英語ではなく「世界で通じる英語」を意識する

世界で通じる英語を意識することは極めて重要です。

言い換えれば、流暢なアメリカ英語やイギリス英語に基づく発音がグローバルスタンダードとして、必ずしも機能するわけではないということです。

シンガポールには「シングリッシュ」があり、インドには「ヒングリッシュ」があるように、いかにリエゾンを理解して使えたとしても、伝わらなければそれは使えるビジネス英語にはなりません。

例えばシングリッシュでは、単語を極端に短く表現するようで、”short”の意味で”shot”と発音したり、”car park”のことを”cappa(カッパ)”と言ったりするようです。

シンガポールに長らく住むアメリカ人で、アメリカ英語ではコミュニケーションが難しいと分かり、途中からシングリッシュに切り替えたという話があります。

アメリカ英語やイギリス英語を勉強する機会は多いかもしれませんが、最終的には目的意識とともに「伝わるか」を心がけていくことがビジネス英語への第一歩です。

 

4-5 Point5:日本語独特の表現を避ける:「遠慮」と「曖昧さ」

日本語では、前置きをするときに、直接的ではなく遠回しに「遠慮」を表すことで、相手の不快感や困惑を緩和させるような表現を使います。

多くの日本人は、英語を話すときでも「こんなことを言ってしまったら失礼では」と、遠慮した表現を使っている場面があります。

しかし、英語を使用したビジネスシーンにおいて、下手な遠慮は不要であり、ときに逆効果となることもあります。

 

  • I am not sure if you are really interested in this, but…

(あなたが本当に興味あることか分からないけれども)

  • It is needless to say because I think you might already know about this but…

(既にご存知のことと思うので、これは言うまでもないことですが)

 

このように前置きにおいて使われる「遠慮」は「曖昧さ」として解釈されてしまい、「いったい何が言いたいの」と聞き返されてしまう可能性があるだけではなく、「自信がない人なのね」と印象を持たれてしまいます。

特にビジネスにおいてなど、遠慮表現による曖昧さは命取りになりかねません。

例えば次のような短く簡潔な表現を使うことで、スパッと本題を切り出し、自分の意図することを伝えるように意識していきましょう。

  • In my opinion,(私の考えは…)

  • In conclusion,(結論を申し上げれば…)

  • To be honest, (正直に申し上げれば…)

  • Let me get this straight,(話をまとめると…)

  • Let me put it this way,(つまりこういうことです…)

粗すぎる英語表現でなければ、基本的にはストレートな表現を使うことによって相手が失礼と思うことはありません。

曖昧な表現をなくし、自信を持って相手に自分の意見や意図を伝えていきましょう。

 

4-6 Point6:語彙力や流暢さではなく論理的思考力を鍛える

英語が得意ではない人の中には、英語さえできればグローバル社会において、どこででも活躍できると思い込んでしまっている人もいます。

そのような場合、まわりが分からない語彙力を知っていたり、流暢にきれいな発音で話している人に遭遇すると、早合点をしてその人を「英語ができる人」と判断してしまいがちです。

 

しかし、英語力が本当に高い人からすれば、表面的であり「英語ができる人」には映らないはずです。

つまり、ビジネス英語の習得には、「英語」は必要条件ですが、十分条件ではないです。

要するに、英語を習得するだけでは、ここで定義しているビジネス英語の「人を動かして成果を出す」ことには、必ずしもつながりません。

そこで必要となるのが、論理的思考力です。

論理について、ここでは「筋の通った物事のつながり」と理解します。

論理的思考力(ロジカルシンキング)は、筋の通った分かりやすい説明をするために、物事のつながりを組み立てられる能力です。

ビジネス英語では、簡潔かつ分かりやすさが求められるため、ロジックを使うことで「わかりやすさ」を高めていくことは重要なことです。

英語力の強化だけではなく、同時に論理的思考力を鍛えることができれば、ビジネス英語を使いこなした本当に「英語ができる人」に近づいていけるでしょう。

 

5.まとめ

ビジネス英語とは、人を動かし成果を挙げるためのコミュニケーションです。

〇 的確に指示を出すことができ、上手に人を動かし成果を上げられる

〇 ビジョンや方向性を明確に示し、メンバー全員を同じ目標に向かわせることができる

〇 ビジネス交渉において、良い関係構築ができ、商談結果の落としどころを見出せる

その目的を意識しながら、勉強時間を作り、基礎を固めて、実践していくことを繰り返せば、ビジネス英語は必ず身に付けることができます。

まずは、あなたにとって今本当に必要としているビジネス英語とは何か、それを考えることから始めてみましょう。

そして、もしあなたがビジネス英語を本気で習得したいと思っていて、今やっている勉強法が使えるようにならないと悩んでいるならば、まずはこの4ステップを6つのポイントとともに実践してみてください。

 

ビジネス英語を身に付けることで、あなたの活躍の場が益々広がっていくことと信じています。

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本多功一

本多功一

上智大学大学院卒業後、人材業界で新卒採用の実務管理システム事業に携わる。その後、半導体・電子機器等を扱う大手専門商社で、採用・研修担当として人事業務を経験して現職。学生時代から日本と海外の高校生留学支援や途上国の教育支援活動に携わるなど、一貫して「人」に関する課題に注力。現在は、自身の留学経験やこれまでのビジネス経験を通じて、「日本人の目指すべきグローバル人材の姿と役割とは」を最大のテーマに、語学や異文化理解の分野で人材育成や能力開発に力を入れている。
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