今やデジタル化はあらゆる産業、組織、部署に及んでいる。特に、昨今の人事部においては、良い人材を獲得するためには高度なデジタル化が必要だろう。私はこれを「デジタル・バトル」と呼んでいる。
なぜ「デジタル」か。
iCIMSリポートによると、求職者は企業のキャリアサイトを情報源として最も利用している。さらに80%近くはソーシャルメディアを利用し、そのうち90%がモバイル機器で情報を調べている。しかも50%以上がモバイル機器からポジションに応募しているのだ。
また、これは「バトル」でもある。
LinkedInリポート(注:リポートを閲覧するにはフォームを記入する必要あり)によると、(他社との)競争こそ人材採用チームが直面している最大の課題なのだ。
モバイル機器の普及・浸透・活用を考えれば、モバイルファースト戦略(ウェブよりもモバイル機器向けのサービスを重要視すること)が必然的な流れとなり、この人材獲得バトルはまもなく「モバイルバトル」になることであろう。
ではデジタルの世界で具体的にどのプラットフォームで「バトル」が繰り広げられているのだろうか?
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上記で示したようなプラットフォームを有効にするためには、データに基づいた戦略が必要となる。LinkedInは 「Data-Driven Recruitment(データに基づく求人)」というリポートを発行しているが、デジタルの世界では市場をしっかりと理解し、セグメントをし、ターゲットを絞り込んだ上で、将来的に採用のアプローチをできる人材のプールを作り上げておく必要がある。今の時代のプロフェッショナルは常に複数の選択肢があり、他社との人材争奪戦に勝たなくてはいけないのだ。
データ分析といえば、LinkedInやFacebookなどのソーシャルメディアプラットフォームはデータおよびその分析を提供しているが、御社は競合他社のウェブサイトやキャリアサイトのデータについてはどの程度理解しているだろうか?たとえば、SimilarWebを使うと、業界や競合他社に対してベンチマークを行い、彼らのオンライン戦略を把握することができる。
これは「デジタルバトル」の序章に過ぎない。
人材を組織の中に入れるには、良いデジタル戦略を通して応募してもらうだけではなく、他社からのオファーに勝るバリューを提供しなくてはいけない。これも後日書きたいと思う。